徹底的な試験 - パート 1:ねじり試験
ケーブルおよび電線の開発において、私たちは試験所で各製品を徹底的にテストしています。シリーズの 1 回目は、ねじり試験についてご紹介します。
産業用ロボットやその他の稼働機械部品に使用されるケーブルおよび電線は、しばしばねじれによる極度の応力に耐えることが求められます。何度も繰り返される動作により、部品には大きな負担がかかります。同時に、オペレーターは機械の中断や停止、安全上の危険を避けるために、部品が耐用年数を通して完璧かつ確実に機能することを期待しています。
そのため HELUKABEL では、Windsbach にあるハイテク試験装置を使って、現実的な条件下で集中的かつ連続的なねじり応力のシミュレーションを行っています。自動車産業などのお客様の中には、ねじり試験の実施方法について非常に精密な仕様を定めているところもあるため、当社では複数の装置を所持しています。試験の結果、当社のケーブル・電線は、最高速度 1,000°/s、最高加速度 2,000°/s²、最大ねじれ角 720° に耐えることがわかりました。したがって、各製品が常にお客様の高い基準を満たし、40 年以上にわたってケーブル・電線・および付属品のトップサプライヤーである弊社に期待される品質をお届けできるのです。
「ねじり」とは?
「ねじり」とは、ケーブルがその長手軸に沿ってねじれることで発生します。これは、ロボットアプリケーションや機械・プラントエンジニアリング、風力発電所などでよく見られる現象です。その結果、トルクによってケーブルが変形します。濡れたタオルを絞ることに例えることができます。電線はところどころ引き伸ばされ、押しつぶされ、さらにかかる力は常に変化しています。ねじりひずみは、ケーブルの中心から、ジャケットの表面に向かって直線的に増加し、変形と応力が最も大きくなります。ケーブルや電線のねじれ耐性を確保するには、適切な素材を使用した特殊な構造が必要です。
専門家に聞く
Mayer さん、ねじれの影響は時間とともにどのように現れますか?
連続的なねじりは、ケーブルや電線の経年劣化を著しく早めます。例えば、外側スリーブはより早く劣化します。改質 PVC や PUR のような高品質の素材で作られたスリーブとは対照的に、安価なゴムスリーブが使用されている場合に特に顕著です。また、ケーブル内の銅線には様々な力が作用し、時間の経過とともに断線する可能性があります。ケーブルの設置個所も重要です。例えば、単純なクリップでは、ねじり力を容易に通すことができないため、高いせん断力を受けることになります。せん断力とは、互いに平行でありながら逆方向の力のことで、ケーブルの断線の原因となります。
より良い電磁両立性(EMC)のためにシールド付きのロボットケーブルが必要な場合、製品開発者は D スクリーンと呼ばれる特殊なシールドを選択します。C スクリーンと D スクリーンの違いは何ですか?
C スクリーンとは、複数の銅線を横に並べて編み込んだものです。ケーブル構造で最も一般的なタイプのシールドで、特にドラッグチェーンケーブルに使用されます。C スクリーンは、曲げ応力のある用途には適していますが、ねじれの用途には適していません。これは、編組が長手軸方向にねじられた後、元の状態に戻るのが非常に難しいためです。そのため、ねじれ耐性のあるケーブルには、いわゆるラッピングスクリーンまたは D スクリーンを使用します。このタイプの銅巻きは、互いに交差する電線がないため、特に柔軟性があります。ケーブルのねじり力を通す能力が改善され、ケーブルは損傷を受けることなく長手軸方向にねじれることができます。
【パート 2:曲げ試験】 を読む